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特別講演2017.10.16 更新

CFO CONSULTING SUMMIT~AI業界特別講演~ レポート

「第26回 CFO CONSULTING SUMMIT ~AI業界特別講演~」

レポート作成:清水康平(The CFO Consulting㈱ 財務コンサルティング部)

 

不確実な時代を生き残る―IoT、AIといった技術革新、2020年の東京オリンピックを控え上場市場は活況を見せる中、弱者は淘汰され、力のある新興企業が台頭し、企業の統廃合は加速する一方だ。中小企業庁によると約385万社ある企業のうち70%は赤字企業であり、廃業件数も増加の一途という企業にとって厳しい現状は続いている。

「昨日の勝者は今日の敗者」。このような不確実な時代において、我々はどのように企業の戦略を構築すべきなのだろうか?2017年9月27日、成長企業を中心に1,000社の財務顧問・アドバイザリーを展開するThe CFO Consulting株式会社(以下、CFO)が主催のトークイベント「第26回 CFO CONSULTING SUMMIT~AI業界特別講演~」が開催され、100名以上の経営者、幹部を中心に一堂に会した。

 

イベントの前半では、CFO代表の鈴木大徳が、「成長企業の財務戦略とは」というテーマで、CFOの役割、中小企業の資金の集め方、金融機関パートナーの組成方法などを講演。

 

そして、後半では、「AI導入による成長戦略」をテーマに、株式会社クロノスの山野寛代表取締役、
株式会社シナモン平野未来CEOが講演。最後に、データセクション株式会社の澤博史代表取締役兼CEOが「上場ヒストリーとAIビジネス最前線」をテーマに語った。技術革新が著しいAI業界の中でも注目企業の3社をお招きし、AIの最新動向と財務戦略を同時に学ぶことができる貴重な内容となった。本稿では、その模様をお届けする。

データセクション株式会社 代表取締役社長 澤 博史 様(東証マザーズ3905)

株式上場ストーリーで得た“貴重な学び”

「キャッシュ残高がギリギリになり、社員への給料が払えなくなりそうな経験もしましたが、それでも何故かいつも根拠のない自信がありましたね。中でも上場を経験する中での大きな転換点は、やはりキャッシュが後数日で底を尽きてしまう経験をしたこと、思い切って既存事業をドラスティックに0にしたこと、一から新たなビジネスモデルを立ち上げ、ビジョンを示し資金調達ができたことです。」
マザーズ上場の苦労話を、恥ずかしがりながらも笑顔で語る澤氏。

データセクション澤社長

普通だったら、気が滅入ってしまうような状況でも、常に自信を持ち、ゼロベースで新規事業を次々と仕掛ける。そんな自信と大胆さを持つ一方で、通常スタッフが行う総務、経理、労務の細やかな仕事も社長業の傍ら、自らこなして常に自分自身の目で現場に目を配っている。

 

 

社長の仕事は“先陣を切ること”、そして“現場への目配り”

 

「採用は、良い候補者がいたら私が直接メール文章を作成してスカウトしますし、一次面接から私が行っています。すると、入り口のところで想いをちゃんと伝えられてスクリーニングが上手くいきます。その結果、狙った人材はしっかり採用できている印象ですね。体力的にかなり大変ですが(笑)。あとは、オフィス周りの椅子、机なんかはすべて自分でオークションサイトを使って、価格比較をして発注したりして、経費削減を徹底しています。ケチ臭いと思われるかもしれませんが、その削減努力から生み出されたものが還元されてお給料に繋がっているという姿勢を社長が見せるのは大切だと思うので。」

会社の財産ともいえる人材から、常に使う身の回り品まで自分自身の目で見て決めるという強いこだわりを持ち、細事が万事でむだ遣いはせず、その成果は数値だけではなく会社の社風にも良い影響を与えているようだ。

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既存事業を超えたイノベーションを起こしたい。

 

「AIビジネスがスケールする際に必ず障壁となるのが、既存事業。たとえば、銀行の融資担当の与信判断の仕事は近い将来AIに代替されるというのは有名な話で、銀行としては人件費が削減できるのでメリットがあります。しかし、現実にはリストラしたくてもできないので、完全には代替できない。だから、(雇用を維持しながらも)“AIツールの利用”に留まってしまう訳です。」

 

AI完全導入の為には、既存事業のリソースが障壁となってしまうことは明らか。しかし、それでは技術的なブレイクスルーは起こらない。そのジレンマを打開する案を、こう語る。

 

「正直、(特に人の問題は)難しいと思っています。しかし、このままでは革新的なビジネスの創出はできません。なので、もともとの既存リソースが少ない新興企業との提携やM&Aによって、まずは一つの既存業界からイノベーションを起こして、成功事例を作る。それを繰り返すことでAIが当たり前となり、様々な業界における既存事業の障壁を超えられると思っています。」

 

もちろんAI導入の最初は各業界の既存大手企業による“AIの利用”から始まる。しかし、それに甘んじず有望なスタートアップとの座組みを強化し、業界自体に革新を起こすことを目指している。

最後に澤氏は、こう語る。

「我々のようなテクノロジー分野の基本姿勢は、長期的な成長を重視し、積極的に人材と研究開発に投資をすること。短期的な利益を追うのではなく、イノベーションを起こせるかどうか、それが全てなのではないでしょうか。」

 

株式会社クロノス 代表取締役社長 山野 寛 様

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クロノス社は、こころを豊かにする「ものづくり」と「ひとづくり」を経営理念とし、その事業を大きく「ものづくり×AI」と「ひとづくり×AI」の二つに展開している。

「ものづくり×AI」の特徴的な取り組みとして「対話型ロボット AUBY(アウビィー)」を製作した。

 

「従来のPepperと違い、AUBYは完全対話型で、操作パネルもありません。オフィスの受付に設置し、来訪者が話しかけると社内のメール・チャットツールと連携して、自動で応接ができる仕組みです。将来的には、訪問回数等に応じて対応を柔軟に変えられるようにしたいと思っています。」

と受付業務を自動化する技術を開発した。

 

一方、「ひとづくり×AI」の取組は、「RAIP(AIを使った採用プラットフォーム)」だ。これは求職者からの多様な情報(履歴書、志望動機、ES、会話など)と、予めインプットしておいた各職種に必要な適性情報をAIが照らし合わせ、採用診断を行うものだ。

 

「SPI等のテスト形式では、簡単に対策されてしまいますので、適性を見出すのは難しいと思っています。一方で、RAIPでは文章や面接での会話などの定性的な部分(知的好奇心、外交性、誠実性、情緒安定性、協調性、欲求、価値など)からも診断ができるため、より診断精度の高いプラットフォームだと思っています。」とRAIPの完成度と充実度について語った。

 

「このようなPeople Analyticsにより、個人や部門に留まらず、組織全体のマネジメントに寄与できると考えています。これまで社内での職種適性や、ストレス耐性などは主にテスト形式により時間とコストがかかっていました。しかし、People Analyticsを活用すれば、日常使用されるメールの文言、発せられる言葉等をAIで分析し、社員のメンタル状況を把握できるため、チームを変えたり、上司を変えるなど会社側から提案する形で手を打てるようになります。」

会社が成長するためには、従業員一人一人のモチベーション維持は欠かせない。しかし、従業員一人一人の能力を引き出すために必要な“メンタル”の部分をケアするのに、十分な仕組みが存在していなかったことに山野氏は課題意識を持っていた。そこでクロノス社のPeople Analyticsによって、この課題解決の一助となると自信を込める。

 

最後にAI導入の意義について、山野氏はこう語る。

「(本来の導入の意義は)AIによるコスト削減ではなく、人間の価値やアウトプットを高めるための補助となることだと考えています。」

 

株式会社シナモン CEO 平野 未来 様

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シナモン社は「日常的に繰り返し発生する無駄な業務をなくし、人が創造性溢れる仕事に集中できる世界を目指す」というビジョンを掲げている。

 

平野氏は、その無駄な業務の代表例を、何度も繰り返されるホワイトカラーの事務処理と定義し、それらの解決策となるAIシステム(FLAX SCANNER)を開発した。FLAX SCANNERは申請書、ドキュメントやEメールから情報を正確に抜き出し、既存のITシステムに自動でデータを入力。その後、自動で新たなドキュメントを作成するシステムだという。

 

「ホワイトカラーは、日々契約書のチェック、履歴書の確認など、全文を読み込み、論点を整理し、必要な情報を抽出する等の定型的な業務を行っており、さらにそのような書類をシステムに保存するためには、構造化をする作業が必要になります。これらの一連の作業が人を忙殺しているという訳です。」

平野氏は、ホワイトカラーが日常業務についてAIによる書類の読み込み、論点の整理、意味合いの抽出、構造化までを自動で行うシステムによって、人的リソースを代替できると語る。

 

「AI導入については、実は銀行や保険会社等のトラディショナルな業界、且つ、大手の方が積極的という印象です。というのも、もともと定型的な業務が多い傾向がある上に、雇用する人数も中小企業とは比較にならない。結果として、AI導入のメリットであるコスト削減の効果を享受し易いからではないでしょうか。」AIの導入については、新興企業というよりも、むしろの歴史のある業界での導入が進んでいると話す。

 

成長著しいAI業界で競争力を維持する取り組みとしては、

「優秀なエンジニアの確保。これに尽きると思います。エンジニアはとにかく才能が命で、特にAI業界は天才が必要とされる傾向が強いと感じます。(世界的にAI人材が不足する中)当社では、コンピュータサイエンス人口の多いベトナムでの採用を実施しています。ベトナムの東大・東工大といわれる最優秀大学の生徒に対して、難しい数学やコンピュータサイエンスの試験を課して選抜し、トップ10%を採用する方針を取っています。」

天才的なエンジニアの確保を競争力維持の源泉と位置づけ、更に年間20~30人のAI Scientistを養成できる体制を構築としているという。

 

最後に平野氏は、こう語る。

「5年後には、100~150人規模のAIエンジニアを有するアジア最大の人工知能ラボを作りたいですね。近い将来、人間がもっと人間らしい仕事に専念できる社会を作ることを目指しています。」

 

今回、財務コンサルティングファームとAI業界の注目企業による貴重な講演となった。それぞれの登壇者から語られたように、不確実な時代において生き残る術に決まりはない。一企業として、社会のどのような問題を解決したいのか、どのような社会を作りたいのか。それを見つけ、取り組むことが不確実な時代を生き抜く上で、最も大切なことではないだろうか。

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《各社概要》

■データセクション株式会社(東証マザーズ3905)

2000年創業。

2014年12月に、ビッグデータという分野においての社会ニーズ、市場ニーズを期待され東証マザーズへの上場。上場後も、AI(人工知能)を活用した分野の研究開発や、ビッグデータを活用した訪日外国人調査などの新規事業に注力。中でもAI事業はチャットボット開発、株価予測、自動運転サポートなど市場の最前線のビジネスに取り組んでいる。

本社: 東京都渋谷区渋谷2-17-2 太陽生命渋谷ビル7階

資本金:778,122,000円(平成29年6月30日現在)

http://www.datasection.co.jp/

 

■株式会社クロノス

2002年創業。「AI×ものづくり」、「AI×ひとづくり」をテーマに事業を展開。

2005年に IT 技術者育成を目的にした教育施設「 IT エンジニア養成スクール」を開設。

2007年には東京事務所を開設し、関東エリアでのコンサルティング・開発事業、

IT 研修・トレーニング事業に参入。

「対話型ロボットAUBY」、「RAIP(AIを使った採用プラットフォーム)」の開発から、

企業向けのAI研修を行う等幅広いサービスを提供している。

本社:東京都品川区西五反田8丁目1-14最勝ビル 6F

資本金: 71,230,000円

http://www.kronos.jp/

 

■株式会社シナモン

2012年シンガポールにて創業。

人工知能を活用したソリューションを提供することで人間が創造的な仕事に集中できる世界の実現を目指す。具体的には、人工知能に関連するプロダクトやコンサルティング開発を提供。

経営陣は事業売却経験のあるシリアルアントレプレナーで、ベトナムに人工知能ラボを持ち、日本の大手企業を中心にホワイトカラーの生産性向上・間接部門の業務効率化をテーマにサービスを展開している。

現在2019-2020年頃のIPOを視野に入れ事業を急拡大中。

本社:東京都渋谷区円山町28-1 渋谷道玄坂スカイビル8階

資本金:非公開

http://cinnamon.is/

 

■The CFO Consulting株式会社

2008年創業。国内の成長企業1000社の財務顧問を務める財務コンサルティングファーム。

「日本の財務インフラを創る」という経営理念の下、

財務コンサルティング、IPO支援、『上場人材バンク』ではCFO・経理人材の紹介事業を運営。

本社:東京都港区南青山二丁目13番地11号マストライフ南青山4F

資本金: 135,500,000円 (準備金含む)

http://cfoconsulting.co.jp/

 

【次回以降のSUMMITおよび共催協賛イベント情報】

10/16(月)CFO CONSULTING SUMMIT~牛角創業者 ダイニングイノベーション西山知義様 札幌講演~ 

10/17 (火)奉行フォーラム2017

11/20 (月)CFO CONSULTING SUMMIT~牛角創業者 ダイニングイノベーション西山知義様 大阪講演~

https://peraichi.com/landing_pages/view/cfosummit20171120

11/22 (水)外食虎塾2017ファイナル

      講師:㈱エー・ピーカンパニー米山久様、㈱subLime 代表取締役社長 花光雅丸様

https://peraichi.com/landing_pages/view/gaisyokutorajuku2017fainal

 

■上場人材バンク■

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弊社トップコンサルタントが以下のような課題を解決します。

Q1、成長に必要な資金調達をどのように進めるべきか?

Q2、会社を潰さないために、まずは何をすべきか?

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